研究紹介

テスラターボマシン

テスラターボマシンとは,ドーナツ状の円板を等間隔で重ねたものを羽根車に使用しているターボ機械です. 摩擦力を用いて流体と羽根車との間でエネルギーの交換を行なっていますが,その原理上小型化しても高効率を維持できると期待されています. 寺本/岡本研究室では,このテスラターボマシンの作動特性について研究を行なっています.

○ 様々な分野で用いられる小型ターボ機械

本研究テーマでは,小型のターボ機械(タービンやポンプ)を対象にしています. このようなターボ機械は様々な分野で用いられていて,例えばエネルギー分野では小型燃料電池の燃料供給,化学分野ではマイクロ化学プラントの送液,医療分野では人工心臓といった様々な場面へ適用されています.

○ ターボ機械の小型化に伴う問題

みなさんがタービンやポンプと言われて想像されるのは,おそらく風車のブレードのような翼を使った羽根車が用いられているものだと思います. タービンを例にあげてこれらのターボ機械の動作原理を説明すると,羽根車に付いている翼で発生する揚力を使って,流体の持つ運動エネルギーを羽根車の回転エネルギーへ変換しています. 流体と羽根車の摩擦力はエネルギー損失にしかなりません. このようなタイプのターボ機械は大きなサイズでは非常に高い効率で運転できるものの,本研究で想定しているような小さなサイズでは摩擦力による損失などが相対的に大きくなり,効率がとても低くなってしまい,望ましくありません.

○ テスラターボマシン

そこで寺本/岡本研究室では,小型化しても高効率を維持できると期待されている,テスラタービンやテスラポンプというニコラ・テスラが提案したテスラターボマシンについて研究を行なっています. このターボ機械は,図のようなドーナツ状の円板を等間隔で重ねたものを羽根車に用いています. ここでもタービンを例にして動作原理を説明すると,流体と円板表面との間で発生する摩擦力を使って,流体の運動エネルギーを羽根車の回転エネルギーへ変換しています. このようにテスラターボマシンでは,通常のターボ機械では損失にしかなっていない摩擦力を動作原理に用いることで,原理的には小型化しても高効率を維持できると期待されています. 計算上では80%以上の効率を出しています. しかし実際に作って試験してみると,30%程度の低い効率に留まっています. 本研究では実機での低効率を改善するために,損失原因の特定や内部の流れ場などを実験やCFDを駆使して調べています.

○ テスラタービン

テスラタービンでは羽根車外周に設置されたノズルから,流体を適切な間隔で多層化された円板の接線方向に吹きつけます. 円板へ吹きつけられた流体はディスク間の非常に狭い流路で螺旋を描いて中心部へ向かい,中央に設けられたディスクの出口で90°曲げられ流出します. 途中,円板間内で摩擦力を使って流体の運動エネルギーを羽根車に与えています.

○ テスラポンプ

テスラポンプの場合は,タービンとは逆の動きをしています. 流体は,モータなどで回転している適切な間隔で多層化されたドーナツ状の円板の中心から取り込まれ,外周へ抜けて外側の流体を集める流路に入ります. この途中,円板の間において摩擦力を使って羽根車の回転エネルギーを流体に与えています.

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