ウェーブロータは,衝撃波を利用して空気を圧縮する空気です. 小型化した場合でも性能を発揮できると予測されていることから,ジェットエンジンや小型発電機など小型ガスタービンへの応用も期待されます. 寺本/岡本研究室では,小型ガスタービンへの搭載を想定したマイクロウェーブロータの実用化に向けた研究を実験的・数値解析的に取り組んでいます.

○ ウェーブロータとは

ウェーブロータとは衝撃波を利用して空気を圧縮する機械です. 左の図がその構造図になります. ウェーブロータはcellとよばれるチューブが円筒状に並んだ構造をしていて,この中を衝撃波が行ったり来たりすることで空気を圧縮することができます. また,ウェーブロータの両端にはportというものがいくつかついており,それぞれが空気や燃焼ガスの出入口となっています.

このウェーブロータの用途の一つとしてガスタービンへの搭載が挙げられます. 右図がその模式図になります. このように,圧縮機と燃焼器,タービンの間にウェーブロータを接続することで,ガスタービンサイクルの性能を大きく改善できるとされています. 特に小型のガスタービンは,従来の圧縮機では高効率の達成が難しいことから,小型でも性能を発揮できるウェーブロータが新しいデバイスとして期待されています. よって本研究室では,小型ガスタービンへの搭載を想定したマイクロウェーブロータの実用化に向けた研究を行なっています.

〇 実験的研究

Wave Rotor Experimental Setup
本研究室では,独自に設計したウェーブロータ(出力数kW)を試作しました. これを実際に作動させて圧力や温度などのデータを計測することで,ウェーブロータ内の実際の流れがどのようになっているのかを調べる研究を行なっています.

〇 数値解析的研究

本研究室では,独自に数値モデルと開発し,ウェーブロータ内部の流れの数値解析も行なっています. これにより,実験では計測が難しい部分の情報を得ることができるため,実験的研究と組み合わせることでさらなる現象理解に向けた研究に取り組んでいます.